ゲーム障害とは?
ブログ 2023.01.07ゲーム障害とは、ゲームに依存しすぎることで、日常生活に支障をきたしてしまう病気です。
「一日中パソコンやスマートフォンなどを使ったゲームに熱中し、自分の意思でゲームを止められない状態が続いてしまう。」そんな症状がある方はゲーム障害の可能性があります。
インターネットやスマートフォンの普及に伴い、世界的にゲームへの依存が社会問題化し、問題とされています。
2018年、WHO(世界保健機関)によってゲーム障害は「病気」と認定され、ICD-11(国際疾病分類第11版)に、ゲーム障害の診断基準が盛り込まれました。
以下の4つの症状すべてあてはまり、12ヶ月以上続く場合、ゲーム障害と診断されます。
・ゲームをしたい気持ちを抑えきれず、ゲームする時間を自分自身でコントロールできない。
・日常生活における他の関心ごとや活動よりもゲームを最優先してしまう。
・仕事、学業、健康などに否定的な問題が起きてもゲームをやめることができない。
・ゲームをし続けることによって、個人、家庭、社会、学業、仕事などに深刻な影響を及ぼす 。
幼少期は進行が早いので、これらすべての症状にあてはまりしかも重症であった場合、12カ月より短い期間でもゲーム障害とみなされると言われています。
ゲーム障害の原因
ゲーム障害の原因は、大きく3つの要素に分けられると言われています。
まず、一つ目はゲーム的な要素です。
ゲームは、手軽に達成感を味わえたり成長を感じることができ、また仲間とつながる非日常感を味わうこともできます。つまりゲームには中毒性の高い要素が詰まっているのです。
ゲームを開始するだけで、巨大なモンスターや敵を倒したり、戦士になってチャンピオンを目指したり、広い大地を冒険しながら成長したりと、平凡な日常から簡単に抜け出すことができるのです。
映画やアニメなど、非日常を味わえて平凡な日常から抜け出す遊びは他にもあるのに、どうしてゲームだけゲーム障害がおこるのでしょうか?
それはゲームでは「自分」が主人公であるというところが大きいです。
「自分」が主人公のゲームでは、自身の判断力や成長具合、スキルなどにより結果が大きく変わってきます。そういったゲームの醍醐味が依存してしまう要因のひとつとなってしまうのです。
次に二つ目の要素、それは環境です。
お子さまの部屋にゲーム機があれば、いつでも気軽にゲームをすることができます。
両親が共働きで、お子さまが家で一人で過ごす時間が長い場合も同様です。
そのような環境では、毎日長時間ゲームに没頭し、それが習慣化する可能性が高くなります。
人は習慣化すると依存します。しかも一度依存してしまうと、依存状態から抜け出すのは難しいです。
また、スマートフォンの登場によって、いつでもどこでも気軽にアプリゲームやソーシャルゲームで遊ぶことができ、暇つぶしの感覚でゲームができてしまうので、PCゲームに比べ、習慣化しやすく、また依存性も高くなるといえます。
最後の三つ目の要素は、ドーパミンの分泌です。
ドーパミンは脳から分泌される神経伝達物質で、快感を司る物質です。
ドーパミンが分泌されると、幸福感を感じることができ、やる気も出ます。
ゲームは、プレイヤーの脳を刺激し、興奮状態にするように作られています。
興奮状態になると、脳は快楽物質であるドーパミンを大量に分泌します。
しかし、人間の体はバランスを保つために、ドーパミンが大量にある状態が続くとドーパミンを受け止める受容体の数が減ってしまい、それによってドーパミンが大量に分泌されても取り込む量を減らしてしまうのです。
過剰に分泌されているにもかかわらず、今までのような快楽が得られなくなるので、より強い刺激を求めるようになります。
するとさらに脳は常にドーパミンの分泌を求めるようになり、ゲームに没頭します。「止めてくても止められない!」となってしまいます。
この悪循環に巻き込まれると、依存症へ陥ってしまいます。
また、勉強に集中できない、切れやすくなるなどの弊害もあります。
症状が出始めたらご相談ください。
ハートライン沖縄クリニック 医師 院長 吉澤