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ブログ

上手な療育施設の使い方

ブログ 2023.01.29

療育を受けたほうがいい??

 発達の遅れを指摘されると「療育を受けた方がいい」と勧められるケースは非常に多いです。私もこれは同感で、早いうちから色々な専門家や機関に繋がっておくことは子どもにとってもプラスになりますし、保護者に対しても色々な考え方や制度を知る機会が増えるためいいことばかりだと思います。需要の高まりとともに全国で療育施設は急激に普及していきました。「運動療育」や「学習サポート」等、それぞれの療育施設が強みを押し出しているため、子ども達はいろいろなことを学ぶことが出来るようなった反面、保護者としては「たくさんあってどこがいいのか選べない」のではないでしょうか。そこで今回は「上手な療育施設の使い方」と題して、療育施設を選ぶうえでのポイントや考え方についてお伝えしていきたいと思います。

療育の受け方

 始めにお伝えしたいのは、「療育を受ける日数」についてです。児童発達支援や放課後等デイサービスで療育を受ける場合は、保護者負担の上限が決まっており、保護者の収入によって変わってきますが、たいていの場合は4600円です。事業所によってはおやつ代や延長料金などがかかる場合もありますが、ベースとなる4600円は変わりません。お子さんの状況や障害の程度によって療育を受けられる日数は制限されますが、逆に言えば制限日数以内であれば、週に1回通うのと7回通うのでは料金に対した差はないということです。ですので、初めて療育を活用する保護者の方にありがちな話ですが、週に4日や5日など、なるべく上限ギリギリまで療育を詰め込もうとする保護者の方がいらっしゃいます。お気持ちはわかりますが、これでは子どもたちは疲れてしまって本来の療育の役割を果たすことが出来ません。かといって月に1回や2回では支援者との関係性がなかなか築きにくく、療育のテンポもつかみにくいです。できれば週に2~3回程度で、運動会などのイベントごとがある期間は頻度を減らす等、お子さんの体調やスケジュールを加味したうえで日数を決める方がいいでしょう。

目的

 また、「何を狙いとするか」も大切です。ご家庭によっては「できることを増やしてほしい」というニーズもあれば「とにかく今は長時間預かってくれるところがいい」という希望もあるでしょう。できることを増やしたいなら作業療法や運動療育をたくさんやっている場所を活用すべきですし、長時間預かってほしいなら、ゆっくり自分の暮らしが出来るように本や遊具、教具がたくさんある広々とした施設にお願いすべきでしょう。この部分がうまくかみ合わないと、子ども、保護者、支援者それぞれがモヤモヤしてしまいます。

 私の担当していたお子さんは週に2日は「プログラムがみっちり入っている施設」、1日は「リラックスして自分の好きなことをする施設」、土日は「ご両親とお出かけや団らんを楽しむ」というパターンを作っていました。しっかりする場所と息抜きをする場所を分けていたので、お子さんとしてもリズムがとりやすく、楽しみながら療育に行くことが出来ていました。

 ついつい私達大人は「あれもこれも」と子ども達に求めてしまいがちです。しかしながら子ども達は学校や家庭、そのほかの多くの場所で精一杯暮らし込んでいます。子育てはマラソンです。全速力で走っていてはいつかバテます。発達のゆっくりなお子さんならなおさらです。お子さんと保護者が息切れすることないペースで一緒に成長できる環境を作ってあげてくださいね。

ハートライン沖縄クリニック 医師 院長 吉澤

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