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ブログ

幻覚・妄想を訴えるお子さんへの対応

ブログ 2023.01.31

不安を感じていませんか?

 「悪口を言われている気がする」、「僕にしか見えない友達があそこにいる」などと語りかけてくるお子さんとはしばしば出会います。そのようなことを初めて言われた人は誰だってびっくりするでしょうし、どのように対応していいかわかりませんよね。今回は幻覚や妄想と思われることを訴えてくるお子さんへの対応についてお話していきます。

 幻覚や妄想を訴えてくるお子さんにはいくつかパターンがあります。それらの1つに「大人の気を引きたい」場合が考えられます。勉強や運動などが苦手でなかなか大人からの注目を集められないお子さんにありがちなパターンです。「そんなウソに決まってる」と切り捨ててしまうと、イタズラや暴力、時には犯罪などと、注目行動がエスカレートしていく場合も考えられます。「自分はここにいていいんだ」と安心感が得られたり、正しい承認欲求のみたし方を学んでいくことでこれらのような言動は少なくなっていきます。

空想世界

 とある有名な映画にも出てきますが、「イマジナリーフレンド」もよく知られていると思います。児童期に見られる現象で、1人の寂しい時間を空想の世界ですごすことによって埋めようとします。イマジナリーフレンドは正常な現象の1つとされているので、大きく心配する必要はないでしょう。

 上記2つとも違う、もっと激しい妄想や幻覚を訴えてくるケースもあります。「誰かが自分を殺そうとしている」「頭の中で虫が動いている」などと繰り返し話し、耳や脳などに外傷が見られない場合は統合失調症の可能性がありますので、医療機関へ受診しましょう。統合失調症の原因はまだよくわかっていませんが、様々な要因が複雑に関係しており、宇都レスの影響が大きいのではないかとされています。治療方法は大きく分けて薬物療法と専門職によるリハビリがあげられます。薬物療法では妄想や幻覚、気分の落ち込みなどを改善することが出来ます。症状が落ち着いてからリハビリを通して病気との向き合い方、他人への上手な伝え方等を学び社会に出ていける準備を行っていきます。

対応方法としては?

 幻覚・妄想を訴えるお子さんへの共通的な対応としては、「丁寧に聞き取る」ことが大切です。子ども達は苦しくつらい思いをしているのに、大人から相手にされなかったら、悲しいですし、大人への信頼感が薄れてしまいますよね。一度心閉ざしてしまうと、再び信頼してくれるまでかなりの時間がかかりますし、手遅れになってしまう場合もあります。「絶対にウソ」と決めつける前に、よく話を聞き、どうしてそのようなことを訴えているのか、その背景にはどのようなものがあるのか、最近何か変わったことは無かったかを考えてみましょう。もちろんかかりつけの医師や学校の先生、スクールカウンセラーに相談することも大切です。

 妄想や幻覚をはじめとした子ども達についての様々な問題は家庭だけで解決するのが難しい場合がほとんどです。どんな些細なことでも気軽に相談できるように色々な機関や人とつながっておき、早期発見・早期介入が出来ることが一番の理想ですね。

ハートライン沖縄クリニック 医師 院長 吉澤

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