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ブログ

「自分はみんなと違うの?」と聞かれたら

ブログ 2023.02.20

こどもが疑問を感じる時

ADHDや自閉症スペクトラム症と診断された、もしくはグレーゾーンの子どもたちの中には、「自分はどうして他のみんなみたいに出来ないんだろう」「どうして支援学級/支援学校にいるんだろう」と疑問に感じはじめ、テレビやネット等から「障がい」「ADHD」という概念にふれることで、「自分は障がい者・ADHDなのかもしれない」と思い至ることがあります。

 皆さんは子どもたちから「僕/私は障がい者・ADHDなの?」と聞かれたときになんと答えますか?おそらくなんと言えばよいか分からず、言い淀んでしまうのではないでしょうか。とても複雑な問題ですし、場合によっては子ども達を傷つけることになるかもしれませんよね。そこで今回「自分は障がい者・ADHDなのか」と聞かれた際にどのようなことを伝えればいいのかについてお話していこうと思います。

伝え方

 はじめに行うことは「どうしてそう思ったのか」を聞くことです。冒頭でもお話しした通り、「周りの人はできるけど、自分にはできないことがある」ことにうすうす気づいて聞いてくるパターンもあれば、誰かにひどいことを言われたり、馬鹿にされたことで傷ついてる場合もあります。その状況によって話の進め方が変わってくるので、この部分を押さえておくことが重要です。

 自分のできなさを感じていて聞いてきたのであれば、ある種の「助けてサイン」ですので、困っていることを丁寧に聞き取り、課題を取り除いていく必要があります。それとは別に「どうして自分には特別な配慮が必要なのか」という疑問に対して答えていく必要があります。こんな時よく使われるのは「メガネの話」です。

視力というのはとても大切な機能の一部で、目が見えなくなってしまうととても困りますよね。数百年前なら普通の生活もできませんから、「視覚障がい者」になっていたでしょう。しかし現代では視力が落ちても大して問題ありません。眼鏡をかければ済む話です。眼鏡という「特別支援ツール」を使うことで視力がいい人と同じように生活を送れることができるのです。お子さんたちが受けている特別な支援はこれと同じ話で、支援を受けることで、パニックになったり、不快な思いをせずに日常生活を送ることができるのです。ですから特別な支援を受けることに恥ずかしさを感じる必要はないのです。

成長させることにつなげる

ここで子ども達に勘違いさせたくないのは、「支援を求めることとわがままを言うことは違う」ということです。「自分は助けてもらって当然」というスタンスでは誰も助けてくれませんし、察して動いてくれるほど世間の人は優しい人ばかりではありません。適切な支援の求め方や感謝の気持ちを伝える等、「生きる力」の大切さを教え、育ててあげることも大切です

また、「お前は障がい者だ」等と心無い言葉を言われた場合には、心のケアをしていく必要があります。「障がいがある・ADHDである」というのはサポートを受けるために必要な指標であり、それ以上の意味合いはありません。「苦手なことやできないことがあるかもしれないけど、私たちはあなたのことを愛しているよ」と伝えてあげてください。それと同時に「お前は障がい者だ」等と心無い言葉を言ってきた相手にはしかるべき対処を行う必要があります。そんな人と付き合っていては子ども達の自己肯定感は下がっていく一方ですし、今後同じようなことを別の子にもするかもしれません。きちんと対応している姿を子ども達に見せることで、「守られている、大切にされている」という感覚にもつながります。

子ども達からの疑問に正面から答えることはきつく、大変かもしれませんが、デリケートな話こそ真摯に向き合ってあげてください。精一杯皆さんの思いを言葉で伝える姿勢を見せていくことで、子ども達は安心し、前に進むことができるのですから。

まずは治療に向けて一緒に考えていきましょう。

下記よりお問い合わせください。


ハートライン沖縄クリニック 医師 院長 吉澤

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