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心理検査って何があるの? ~田中ビネー編~

ブログ 2023.03.28

心理検査とは?

子ども達が受ける心理検査にはいくつか種類があります。「何を知りたいのか」「どんなお子さんが受けるのか」によって適切な心理検査を選択していきます。医師や心理士の判断によって決められる場合が多いのですが、お子さんが受ける心理検査について保護者の方が知っておいても損はありません。そこで数回に分けて心理検査を1つずつ紹介していこうと思います。今回は田中ビネーについてお話していきます。

障害がある場合と言われたら?

お子さんに障がいがあるとわかった時に愛の手帳(もしくは療育手帳)について紹介された方が多いと思います。愛の手帳は知的障がいのある方に交付される障がい者手帳で、取得すると公共交通機関が割引されたり、福祉サービスを受けることが出来るといったメリットがあります。この愛の手帳を取得するために児童相談所で受ける検査に田中ビネーが採用されている割合が高いので、「なんとなく聞いたことがある」という方も多いのではないでしょうか。

田中ビネーの検査とは?

 田中ビネーの検査結果によって、知能指数を知ることが出来ます。100が平均で、それより大きく下回ると知的障がいと診断される可能性があります。田中ビネーは日本人が馴染みやすいように改良されているだけでなく、様々な道具を用いるので、子ども達も遊びのような感覚で取り組むことが出来ます。

 田中ビネーの一番の特徴は「対象年齢の幅広さ」です。同じく知能指数を知ることが出来るウェクスラー式検査は年齢によって使用できる検査が異なるため、「施設に検査道具があるか」や「その検査ができるスタッフがいるか」といった子ども達には関係のない部分での制約がでてしまう可能性がありますが、田中ビネーは2歳から成人まで行うことが出来るので、そのような心配はありません。成長に応じてデータを蓄積することが出来る点が田中ビネーの強みだと言えます。

検査時間

 また検査時間について「すごく長かった」という方もいれば「すぐに終わった」という方もいらっしゃいます。これは田中ビネーの検査方法が関係しています。田中ビネーは全問正解する年齢と全問不正解する年齢を導き出す必要があります。例えば6歳の子が検査を受けたとして、5歳級の問題にすべて正解するとは限りません。その時は4歳級の問題を実施し、1問でも不正解なら3歳級を実施します。全問正解すると今度は7歳級、8歳級と年齢級を上げていき、全問不正解するまで続けていきます。そのため5歳の子が4歳級で全問正解し、6歳級で全問不正解した場合は検査はすぐに終わりますが、全問正解もしくは全問不正解するまで時間がかかってしまうとおのずと検査時間も伸びてしまうのです。田中ビネーを受けた保護者さんの中に「簡単すぎる/難しすぎる問題をやらされていた」と訴える方がいらっしゃいますが、これも同じ理由で特に問題ありません。

 児童相談所で検査結果を聞いてきた保護者さんの中には、結果に落ち込んでしまう方が多くいらっしゃいます。「18歳なのに6歳程度の知能と言われた」「いろいろなことが出来るようになったと思ったのに、知能指数はすごく低くてショックだった」という声を聞くのは珍しくありません。

 本来田中ビネーは知能指数を出すことだけが目的ではありません。「子ども達がどの部分に苦手さを持っているのか」や「できないことがあるならその原因は何か」という部分の方がより重要なのです。自治体によってですが、問い合わせることで検査結果を詳しく説明してくれるところもあります。知能指数は1つの結果として受け入れ、「子ども達に会った環境を作っていくにはどうすればいいのか」、「子ども達のために何をすべきなのか」といった前向きな議論にしていくために田中ビネーを活用してください。

改善をご希望される方は一度相談にお越しくださいね!


ハートライン沖縄クリニック 医師 院長 吉澤

 

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