スクリーンタイムと子供の心の健康への影響
ブログ 2023.07.26沖縄県那覇市の心療内科医、ハートライングループ院長・医師 吉澤孝典です。
今回は、「スクリーンタイムと子供の心の健康への影響」についてお話をしていきます。
スクリーンタイムとは
スクリーンタイムとは、子どもたちがテレビ、スマートフォン、タブレット、コンピュータなどの電子機器を利用する時間のことを指します。
現代の子どもたちは、スマートフォン、タブレット、テレビ、ゲームなど、さまざまなデジタルデバイスに囲まれて成長しています。
これらのデバイスは、情報にアクセスし、コミュニケーションを取るための便利なツールであり、教育にも利用されています。
しかし、学習やコミュニケーションの手段として利用される一方で、長時間のスクリーンタイムが心の健康に与える影響について心配する声も増えています。
長時間のスクリーンタイムが及ぼす影響
子どもたちが長時間これらのデバイスを使用することは、心の健康にどのような影響を与えるのでしょうか?
運動不足
スクリーンタイムが増えると、子どもたちの身体活動が減少する傾向があります。
運動不足は、肥満や生活習慣病のリスクを高めることが知られていますが、心の健康にも深刻な影響を及ぼすことが最近の研究で示唆されています。運動不足によって、ストレスを和らげるための神経伝達物質の分泌が減少し、不安やうつ症状が増加することが考えられます。
自尊心の低下
スクリーンタイムによる情報過多やSNSの利用は、子どもたちの精神的な健康にも影響を及ぼす可能性があります。他人との比較やいじめなど、ネガティブな要素がオンライン上には存在します。
子どもたちがそれらに晒されることで、自尊心が低下し、心の安定を乱すことが考えられます。
睡眠問題
長時間のスクリーンタイムは、子供の睡眠に悪影響を及ぼすことがあります。スマートフォンやタブレットのブルーライトは、睡眠を調整するホルモンであるメラトニンの分泌を妨げ、眠りの質を低下させる可能性があります。
また、SNSの使用や刺激的なコンテンツの視聴が、子どもたちの心を興奮させ、リラックスが難しくなることも指摘されています。スマートフォンやゲームの誘惑に負けて、夜更かししてしまう子どもたちも少なくありません。
十分な睡眠時間が確保できないと、集中力や学習能力が低下し、イライラや反抗的な行動が増えることが考えられます。
スクリーンタイムの影響を軽減するために、今日から実践してほしい対策
スクリーンタイムの時間制限
子どもたちがデジタルデバイスを使用する時間を制限しましょう。例えば、平日は1日1時間、週末は2時間までなどの時間枠を設定することで、過度なスクリーンタイムを防げます。
家族でのルール設定
家族で共通のスクリーンタイムのルールを決めることが大切です。親自身がデバイスを制限することで、子どもたちにも理解が得られやすくなります。
アクティブな遊びの促進
子どもたちが自然と交流し、身体を動かす機会を増やしましょう。公園で遊ぶ、スポーツをする、家族で散歩するなどの活動を取り入れることで、スクリーンタイムが減る可能性が高まります。
定期的なスクリーンフリータイム
家族全員がデバイスを使わない時間を設けることで、コミュニケーションや家族の絆を深めることができます。食事中や就寝前など、特定の時間帯をスクリーンフリーにすることをおすすめします。
安全なコンテンツの選択
子どもたちが利用するデジタルコンテンツは、年齢に適したものを選びましょう。教育的なコンテンツや家族で楽しめるものを選択することで、ポジティブな影響を与えることができます。
デバイスの使用を寝室外に
子どもたちの寝室にはデバイスを持ち込まないようにしましょう。寝る前にスクリーンを見ることは、睡眠に悪影響を及ぼす可能性があるため、寝室はリラックスする場所にすることが重要です。
親がモデルとなる
子どもたちは親の行動を見て学ぶことが多いです。親自身がスクリーンタイムを適切に管理し、バランスの取れた生活を実践することが大切です。
子どもたちが健やかに成長するために
親や教育者は、子どもたちに適切なデバイスの使用時間を設定し、身体活動や社会的な交流の時間を大切にするようにサポートすることが必要です。スクリーンタイムが心の健康に与える影響を理解することは、子どもたちが健やかに成長するために欠かせない知識です。
皆さんが日常生活に取り入れやすい方法を紹介しましたが、それぞれの家庭に合った工夫をしてみてください。
健やかな成長のために、心と体のバランスを大切にしていきましょう。
改善をご希望される方は一度ご相談にお越しくださいね!
ハートライン沖縄クリニック 医師 院長 吉澤