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ブログ

発達障害の子どもの食事|脳の発達を助ける栄養とは?

ブログ 2025.05.09
子ども 栄養

沖縄県那覇市にあるハートライン沖縄クリニックの院長、心療内科医の吉澤です。今回は、「発達障害の子どもの食事|脳の発達を助ける栄養とは?」についてお話をしていきます。

目次

  1. 発達障害の子どもにとって「食事」がなぜ大切なのか
  2. 脳の発達に関わる代表的な栄養素
  3. 食事に偏りがあるとどうなるのか
  4. 実際にどんな食材がおすすめ?
  5. 食べることが苦手な子への工夫
  6. 沖縄ならではの食文化と工夫できるポイント
  7. 保護者のストレスを減らす考え方
  8. 最後に

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発達障害の子どもにとって「食事」がなぜ大切なのか

発達障害と聞くと、多くの方がまず「行動」や「コミュニケーション」に目を向けがちです。しかし、見落とされがちなのが「食事」です。私たちの脳は、日々の食べ物から得られる栄養によって働いています。とくに成長期の子どもにとっては、脳もまだ発展途上にあり、適切な栄養がスムーズな神経伝達や集中力、情緒の安定に深く関わっています。発達障害をもつ子どもたちは、感覚の過敏さやこだわりの強さから、食事に偏りが出やすい傾向にあります。そのため、「何を食べるか」「どのように摂取するか」が、より重要になるのです。

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脳の発達に関わる代表的な栄養素

まず、オメガ3脂肪酸はとても大切です。これは青魚に多く含まれており、脳内の神経細胞の働きを助けるといわれています。DHAやEPAといった成分がその代表で、記憶力や集中力に好影響があるといわれています。次にビタミンB群も欠かせません。とくにビタミンB6は、脳内の神経伝達物質の生成を助ける働きがあるため、気分の安定や落ち着きに役立ちます。さらに、鉄分や亜鉛といったミネラルも見逃せません。これらが不足すると注意力の低下や疲れやすさを招き、結果的に日常生活に影響を及ぼします。

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食事に偏りがあるとどうなるのか

発達障害のある子どもたちは、感覚過敏や嗅覚の強さ、見た目へのこだわりなどから、好き嫌いが極端になることがあります。「白いごはんしか食べない」「特定の食感のものしか口にしない」といった例も少なくありません。こうした偏食が長期間続くと、栄養のバランスが大きく崩れ、脳の発達にも影響する可能性があります。たとえば鉄分不足により貧血が進行すれば、体がだるくなり活動量が減少します。それによって周囲との関わりが減り、社会性の発達にも支障が出ることも考えられます。

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実際にどんな食材がおすすめ?

青魚(さば、いわし、さんま)は、オメガ3が豊富で脳の発達に役立ちます。納豆や卵にはビタミンB群が含まれていますし、レバーや赤身の肉には鉄分がたっぷり含まれています。野菜の中ではブロッコリーやにんじんが栄養価も高く、視覚的にもカラフルで子どもが興味を持ちやすいという利点があります。玄米や雑穀米も、ミネラルを多く含み消化にも良いとされています。無理にすべてを食べさせるのではなく、「好きなものに少し混ぜる」「盛りつけを楽しくする」といった工夫で、少しずつ栄養を取り入れていくことが重要です。

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食べることが苦手な子への工夫

「食べること」そのものに抵抗感がある子もいます。特に発達障害の子どもたちには、食感やにおいに敏感な子が多いため、食事がストレスになることもあります。そんなときは、無理に食べさせるのではなく、まずはその子が安心できる環境を整えることが先決です。好きなキャラクターのプレートを使う、色味をそろえる、苦手な食材はすりおろしてスープに入れるなど、家庭でできる工夫はたくさんあります。大切なのは「食べること=楽しいこと」と感じてもらうことです。少しずつでも食べられるものが増えれば、それは大きな一歩です。

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沖縄ならではの食文化と工夫できるポイント

沖縄には、ゴーヤーや島豆腐、もずくといった栄養価の高い食材が身近にあります。特に島豆腐はたんぱく質が豊富で、消化にも良く、お子さまにも取り入れやすい食材です。また、沖縄そばやジューシーといった郷土料理も、少し工夫すれば栄養バランスを整えることができます。たとえば、そばのトッピングに青菜を追加したり、ジューシーに雑穀を混ぜるだけでも効果的です。地元の食材を活かすことで、子どもたちにも受け入れられやすく、親御さんの負担も軽減できます。

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保護者のストレスを減らす考え方

食事への取り組みがうまくいかないと、自分を責めてしまう親御さんも少なくありません。しかし、食事は長い目で見るものです。1日や2日で結果が出るものではありませんし、完璧である必要もありません。大切なのは、子どもとの関係性を大事にしながら、焦らずに続けることです。「今日は一口食べられた」「昨日より少し多く食べられた」それだけでも十分な進歩です。子どもの特性を理解し、寄り添いながら向き合う姿勢こそが、もっとも大切なのです。

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最後に

発達障害のある子どもにとって、食事は脳や身体の発達に深く関わる大切な要素です。栄養素のバランスを意識しつつ、その子に合った形で取り入れる工夫が必要です。食べることをポジティブに感じてもらえるよう、環境や方法を整えることが、長い目で見た時の成長につながっていきます。親御さん一人で抱え込まず、医師や専門職と連携しながら進めることも選択肢のひとつです。食事を通して、子どもたちの可能性を広げていけるよう、私たちも一緒にサポートしてまいります。

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以上、ハートライン沖縄クリニックの院長、吉澤でした。
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