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ブログ

発達障害の子どもが苦手な音・光・感触への対処法

ブログ 2025.05.16
子ども 環境要因

沖縄県那覇市にあるハートライン沖縄クリニックの院長、心療内科医の吉澤です。今回は、「発達障害の子どもが苦手な音・光・感触への対処法」についてお話をしていきます。

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目次

  • 発達障害の子どもに見られる感覚の敏感さとは
  • 音に対する過敏さへの対処法
  • 光に対する過敏さへの対処法
  • 感触に対する過敏さへの対処法
  • 環境調整と本人の安心感を優先する
  • 周囲の理解が子どもを守るカギになる
  • 最後に

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発達障害の子どもに見られる感覚の敏感さとは

発達障害のあるお子さんの中には、音や光、衣服のタグのチクチクといったわずかな刺激にも強く反応する「感覚過敏」を持つ子がいます。これは五感に関わる脳の情報処理が定型発達の子どもと少し異なるために起きる現象で、本人にとっては「嫌だ」と思う以上に「つらい」「耐えられない」刺激であることが多いのです。例えば、教室の蛍光灯の音が「ジージー」と聞こえて気が散ってしまったり、運動会のピストル音が恐怖になってしまったりすることがあります。また、肌に触れる服の素材によって集中力が落ちたり、不機嫌になったりすることもあります。こうした感覚の過敏さは、決してわがままではなく、本人にとって現実に困っている症状であることを、まずは周囲が理解することが大切です。

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音に対する過敏さへの対処法

音に敏感なお子さんは、日常生活の中で不快感やストレスを感じやすくなります。たとえば掃除機の音や、トイレのジェット乾燥機の音などが苦手な子も少なくありません。こうした場合には、まず家庭や学校で音環境を見直すことが有効です。可能であれば静かな時間帯に移動や活動をする、騒音を避けられる場所を作るなどの工夫が大切です。また、ノイズキャンセリング機能付きのヘッドホンやイヤーマフは、聴覚の負担を軽減するために役立ちます。ただし、周囲の音が完全に聞こえなくなることによる不安を訴えるお子さんもいるため、無理なく使える方法を探すことがポイントです。また、事前に「この音が鳴るよ」と予告しておくと、子どもは心の準備ができ、驚きが少なくなります。音が苦手という性質を否定するのではなく、対処法を一緒に考える姿勢が本人の安心にもつながります。

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光に対する過敏さへの対処法

強い光やちらつく光に反応してしまう子どもは、蛍光灯や日差し、テレビ画面などがつらく感じることがあります。光に過敏なお子さんの場合、照明の種類や位置を調整することで大きく症状が軽減されることがあります。たとえば家庭では間接照明を取り入れたり、カーテンで自然光の調整を行ったりするのがおすすめです。学校では、窓側の席を避けたり、帽子の着用を許可してもらうなどの配慮ができるとよいでしょう。また、ブルーライトをカットする眼鏡やフィルターなども、視覚刺激を和らげる助けになります。子どもが「まぶしい」と訴える場合は、それを否定せず、どうすれば快適に過ごせるかを一緒に考えることが重要です。

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感触に対する過敏さへの対処法

肌に触れる感覚に敏感な子は、服のタグや素材の質感、濡れた感触、手の汚れなどを非常に不快に感じます。たとえば、靴下の縫い目が気になって履けない、泥遊びが苦手で給食の食器が持てないといった例が見られます。こうした場合には、本人が「心地よい」と感じる素材を優先して選ぶことが大切です。服はタグを切る、柔らかい素材を選ぶ、締めつけの少ないデザインを選ぶなどの工夫が効果的です。また、濡れた手を嫌がる場合には、すぐに拭けるタオルやティッシュを持ち歩くことで本人の安心感につながります。大人から見て些細なことでも、本人にとっては「どうしても気になって集中できない」問題であることを理解する必要があります。感覚の困りごとに対して「慣れるしかない」と突き放すのではなく、まずは寄り添い、対応を考えていくことが重要です。

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環境調整と本人の安心感を優先する

感覚過敏に対処するためには、子どもが安心して過ごせる環境を整えることが第一です。周囲ができるだけ刺激を減らし、安心できる空間を提供することは、子どもの心の安定にもつながります。感覚刺激への反応は一人ひとり異なりますので、「この子にはどの刺激がつらいのか」を丁寧に観察し、本人と一緒に「どうすれば楽になるか」を考えることがポイントです。また、子ども自身が「自分には苦手な感覚がある」と自覚できるようになると、パニックにならず対処できる場面も増えていきます。

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周囲の理解が子どもを守るカギになる

感覚過敏のある子どもにとって一番つらいのは、周囲に理解されずに「甘えている」「わがまま」と誤解されることです。大人がまず「この子はこの感覚が本当に苦手なのだ」と認め、必要な配慮を行うことが子どもの安心と自信につながります。また、保育園や学校の先生、祖父母、友達など、関わる人々にも正しい知識を伝えていくことが必要です。共通理解があることで、子どもは社会の中でも無理なく生活できるようになります。感覚の特性は「個性」のひとつです。無理に変えようとするのではなく、どのように関わるかが問われる時代に私たちは生きています。

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最後に

発達障害の子どもが感じる「音・光・感触」の困りごとは、周囲の理解とちょっとした工夫で大きく和らげることができます。お子さんの感じ方に寄り添い、安心できる環境づくりを一緒に考えていきましょう。

以上、ハートライン沖縄クリニックの院長、吉澤でした。何かご相談がございましたらご気軽にご相談ください。

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