チック障害とは、子どもによく見られる症状です。
暇さえあれば自分の爪を噛んで、ボロボロの指先をしている子どものお母さんに、これがチックだと説明すると、みなさん、意外な顔をします。
チック障害は様々な形態があるのです。
チックは、突発的で、不規則に出現し、繰り返す動きや言葉で、癖の一種と考えられています。
運動性チックと音声チックに大きくわけられます。そして、それぞれ単純性、複雑性に分類されます。
単純性運動性チックには、強いまばたき、首振り、顔しかめがあり、複雑性運動性チックには、物に触る、物を蹴る、飛び上がるなどがあります。
突発的な動きや発声
チック障害とは?
WHAT IS A TIC DISORDER
爪噛み、口や目、髪の毛をずっと触っているなど、1~2種類の動きだけのことが多いのですが、肩をピクッとさせたり、足や身体全体を突っ張るような動きのこともあります。
単純性音声チックには、突然の叫び声、咳払い、鼻鳴らしなどがあり、複雑性音声チックには、汚言、反響言語(人の言葉を繰返す)などがあります。
一見すると、乱暴な行動や非常識な言動もチックのことがあるのです。
1~2ヵ月で消えることもありますが、多くは1年以内に消えてしまいます。
原因は、詳しいことがまだわかっていません。
生まれつきチックを起こしやすい脳の体質であったり、社会心理、環境、年齢、発達や性格など、様々なものが原因になるとも言われています。
- チック障害の診断と対応
チック障害の診断は、特徴的な症状と期間で分類されます。
一過性チックは、特徴的な症状が4週間以上12カ月未満持続します。
慢性チックは、特徴的な症状が12カ月以上持続し、チックのない期間が3カ月未満です。
トゥーレット障害は、慢性で多彩な運動チックと一つ以上の音声チックが見られます。
対応としては、身の回りのストレスになっていそうなものを取り除いてみます。
チックが出にくい体質なのに、ストレスで脳が緊張して出ている子どもであれば、そのまま消えてしまうこともあります。
治療が必要となるチック障害は、その症状により、社会生活で本人が困ることが起きている場合となります。
カウンセリングや薬物療法(漢方や精神安定剤)で治療をすることもあります。
家族が気にしているだけで、生活に支障のないチックは治療の対象にはなりません。
チックは、子どもの心理状態の不安定さのバロメータで、精神のバランスをとる行動でもあるのです。
まずは慌てずに、チックが出るタイミングや周囲をよく観察し、環境を見直してあげてください。
チックが長期間続いたり、幼稚園や学校で困っているときには、当院にご相談ください。