発達障害の子どもに合った習い事の選び方と注意点
ブログ 2025.05.02
沖縄県那覇市にあるハートライン沖縄クリニックの院長、心療内科医の吉澤です。今回は、「発達障害の子どもに合った習い事の選び方と注意点」についてお話をしていきます。
目次
- 発達障害の子どもにとって習い事がもたらすメリットとは
- 習い事選びで大切にしたい3つの視点
- おすすめされることが多い習い事とその理由
- 習い事を続ける上で気をつけたいこと
- 子どもと習い事、うまくいかなかったときの対応方法
- 最後に
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発達障害の子どもにとって習い事がもたらすメリットとは
発達障害をもつお子さんにとって、習い事は単なる学びの場にとどまりません。成功体験を積むことで自信を育み、他者との関わりを通して社会性やコミュニケーション能力を伸ばす貴重な場となります。また、興味関心に合った活動に取り組むことで集中力が高まり、情緒の安定にもつながることが多いです。とくに、学校生活で苦手を感じているお子さんにとっては、「自分が得意だと思える場所」を見つけることで、日々の安心感にもつながります。
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習い事選びで大切にしたい3つの視点
お子さんにとって無理なく楽しく続けられる習い事を選ぶには、「本人の興味」「得意・不得意の特性」「指導者との相性」が大切です。まず、お子さん自身が「やってみたい」と思えることが何よりの出発点です。そして、発達特性によって得意な動きや感覚、苦手な場面が異なるため、それを見極めたうえで負担が少ないジャンルを選ぶことが望ましいです。また、指導者が発達障害への理解を持っているかどうかも重要なポイントです。無理に周囲に合わせる必要はなく、少人数制や個別対応が可能な教室を選ぶと、安心して続けやすくなります。
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おすすめされることが多い習い事とその理由
発達障害のあるお子さんに人気のある習い事としては、スイミング、音楽、絵画、体操、個別指導の学習塾などが挙げられます。スイミングは身体を動かすことでストレスを発散でき、ルールがシンプルでわかりやすい点が魅力です。音楽や絵画は自己表現の手段として適しており、感覚過敏があるお子さんでも自分のペースで取り組めます。体操は体幹の発達やバランス感覚の向上に役立ち、運動が苦手なお子さんでも達成感を感じやすい工夫がなされている教室も多いです。また、学習塾であれば発達支援に理解のある個別塾が効果的で、お子さんの特性に合わせて学び方を工夫してくれるところもあります。
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習い事を続ける上で気をつけたいこと
せっかく始めた習い事でも、途中で嫌がるようになることは少なくありません。その場合、「怠けている」と決めつけず、何が嫌だったのか丁寧に話を聞いてあげることが大切です。たとえば、音に敏感なお子さんにとって教室の雑音がつらい、決まったルールに縛られて自由に動けないといったケースもあります。無理に続けさせるのではなく、必要に応じて曜日を変える、休憩を挟むなど柔軟に対応しましょう。重要なのは、習い事が本人にとって「苦痛」ではなく「楽しい経験」として積み重なることです。
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子どもと習い事、うまくいかなかったときの対応方法
もし習い事が合わなかったと感じた場合でも、それを「失敗」ととらえないことが重要です。むしろ、本人が「自分にはこれは合わなかった」と気づけたこと自体が成長の一歩です。保護者としては「頑張ったね」「やってみてどうだった?」と声をかけ、次の一歩に向けた前向きな視点を持てるようにしましょう。また、環境や指導スタイルが変わればうまくいくこともあるため、別の教室やジャンルへの切り替えも選択肢の一つです。何よりも大切なのは、お子さんの気持ちを否定せず、その声にしっかり耳を傾ける姿勢です。
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最後に
発達障害のお子さんにとって、習い事は自信や社会性を育むチャンスでもあります。しかし、その選び方や継続の方法には、ひとりひとりに合った配慮が必要です。親御さんが「こうなってほしい」と思う気持ちと、本人の「やりたい」「やってみたい」という気持ちのバランスを大切にしながら、安心して挑戦できる環境を整えていきましょう。もし迷ったときは、専門機関や支援に詳しい医療機関に相談してみるのも一つの方法です。
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以上、ハートライン沖縄クリニックの院長、吉澤でした。
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