発達障害と二次障害|不安やうつを防ぐためのサポート
ブログ 2025.06.13
沖縄県那覇市にあるハートライン沖縄クリニックの院長、心療内科医の吉澤です。今回は、「発達障害と二次障害|不安やうつを防ぐためのサポート」についてお話をしていきます。
目次
- 発達障害とは何か?
- 二次障害が生まれる背景
- 子どもから大人まで起こる二次障害のサイン
- 不安やうつを防ぐための早期対応とは
- 支援のポイントと、本人・家族ができること
- ハートライン沖縄クリニックでのサポート体制
- 最後に
発達障害とは何か?
発達障害とは、脳の発達の過程で生じる特性により、行動やコミュニケーション、社会性に困難を感じる状態を指します。代表的なものには、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)などがあります。これらは決して「病気」ではなく、脳の働き方の違いです。けれども、学校や職場、家庭といった社会の中で、その特性が原因でストレスを受けたり、誤解されたりすることが少なくありません。その結果、本人が生きづらさを抱えてしまうことが多いのが現状です。
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二次障害が生まれる背景
二次障害とは、発達障害そのものに起因する生きづらさや周囲との摩擦、自己否定感などから生じる心の不調のことを指します。たとえば、集団生活がうまくいかずに自信を失い、不登校になってしまったり、大人になってからも対人関係で悩み、社会不安やうつ状態に陥ったりします。これらの症状は「発達障害に付随する二次的な問題」であり、適切な支援が行われないまま放置されてしまうことで、さらに深刻な心の病に発展するリスクが高まります。発達障害の人すべてに二次障害が起こるわけではありませんが、支援の有無や周囲の理解の差が、将来的な心の健康に大きな影響を与えるのです。
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子どもから大人まで起こる二次障害のサイン
子どもの頃には、よく叱られる、友達ができない、先生に注意されてばかりといった経験が積み重なり、「自分はダメな人間だ」と感じるようになることがあります。そうした自己肯定感の低下は、やがて学校への行き渋りや、過剰な不安、抑うつ的な気分といった形で表れてくることがあります。また、大人になると、「周囲の人とうまく付き合えない」「仕事が続かない」といった悩みが積み重なり、自分を責め続けてしまう人もいます。こうした心の疲労が、うつや不安障害、場合によっては依存症やパニック障害につながることもあるのです。二次障害は、発達障害があっても、周囲の支えや自己理解があれば防ぐことが可能です。だからこそ早期の気づきと対応がとても重要です。
不安やうつを防ぐための早期対応とは
まず大切なのは、「発達障害=特別な問題」と考えるのではなく、「その人らしさの一部」として受け止める姿勢です。特性を知ることで、本人も周囲も適切な対応がとれるようになります。例えば、苦手なことを無理にがんばらせるのではなく、得意なことを伸ばすサポートへと切り替えるだけで、本人の自信は大きく変わります。また、感覚過敏やコミュニケーションの苦手さといった特性に配慮した環境を整えることも、心の安定につながります。保護者や学校の先生、職場の同僚など、周囲の理解があるだけで、本人が抱えるストレスの量はぐっと減ります。心の健康を守るためには、本人の努力だけでは限界があります。支援の手が届く環境づくりが必要です。
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支援のポイントと、本人・家族ができること
まず、本人自身が「自分はなぜ生きづらさを感じているのか」を知ることが出発点です。それがわかるだけでも、ストレスの原因が明確になり、必要以上に自分を責めることが減っていきます。また、家族も「普通こうだから」「みんなできるから」といった言葉を減らし、「その子に合った方法で考える」姿勢を持つことが大切です。発達障害のある人が、自分の特性を受け入れながら生活できるようになるには、周囲の理解と長期的な支援が不可欠です。通院やカウンセリング、デイケアの活用なども大切な手段のひとつです。とくにデイケアは、安心できる環境のなかで社会との接点を持ち、成功体験を積むことができる貴重な場所です。
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ハートライン沖縄クリニックでのサポート体制
当クリニックでは、発達障害の診断だけでなく、二次障害を防ぐための継続的な支援に力を入れています。お一人おひとりの特性や生活状況に合わせて、医師・看護師・心理士・作業療法士などの多職種が連携しながらサポートを行っています。また、デイケアではグループ活動や個別プログラムを通じて、自己理解や対人スキルの向上を目指しています。何よりも、「ここに来るとホッとする」「誰かに話を聞いてもらえる」という安心感を大切にしています。家族への支援にも取り組んでおり、保護者相談や家族向けのプログラムも実施しています。発達障害とともに生きる人が、社会の中で自分らしく、穏やかに過ごせるように、私たちは全力でサポートしています。
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最後に
発達障害は個性のひとつであり、決して恥ずべきものではありません。けれども、それを理解されずに孤立してしまうと、心のエネルギーをすり減らし、二次障害というかたちで深刻な影響が出てしまいます。本人が安心して自分らしく生きていくためには、早期の気づきと周囲の理解が必要不可欠です。そして、ひとりで抱え込まずに、信頼できる支援機関につながることも大切です。ハートライン沖縄クリニックでは、発達障害と二次障害の両面から、専門的な知識とあたたかな心でサポートしています。
以上、ハートライン沖縄クリニックの院長、吉澤でした。
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