発達障害診療ならメトキッズグループ

TEL
電話でお問合せ

098-959-6424

電話受付

10:00~16:00(月~土)
(第2週、第4週の木曜を除く)
受付は南風原で行っています。

menu

close

* *

ブログ

「もしかして発達障害?」と検索する前に知ってほしい5つの視点

ブログ 2025.08.01

沖縄県那覇市にあるハートライン沖縄クリニックの院長、心療内科医の吉澤です。今回は、「『もしかして発達障害?』と検索する前に知ってほしい5つの視点」についてお話をしていきます。

目次

  1. 「気になる行動」が発達障害とは限らない理由
  2. 診断より先に注目したい“日常生活のズレ”
  3. インターネット情報に潜む“無意識のラベリング”
  4. 子どもの行動の奥にある「伝えきれない困り感」
  5. まずは親自身が「安心」できる場所を見つけて

.

「気になる行動」が発達障害とは限らない理由

「うちの子、ちょっと変かも」「みんなと同じようにできない気がする」。そう感じたとき、まず思い浮かぶのが「発達障害かもしれない」というワードかもしれません。しかし実際には、「変わった行動=発達障害」とは限らないのが現実です。子どもの成長には“個性”の幅があり、周囲との違いが一時的に目立つこともあります。たとえば、しゃべるのが遅い、集団行動が苦手という特徴があっても、年齢とともに落ち着いてくることは少なくありません。また、育ってきた環境や関わる大人の声かけによっても、子どもの表れ方は大きく変化します。早期に気づくことは大切ですが、「すぐに診断名をつける」ことが正解ではないという視点はとても重要です。

.

診断より先に注目したい“日常生活のズレ”

発達障害の特徴は、必ずしも病気のような“明確な症状”として現れるわけではありません。むしろ、日常の中で「ちょっとズレている気がする」「他の子と比べると極端に疲れている」「注意されても同じことを繰り返す」といった“違和感”の積み重ねとして浮かび上がってきます。診断名はあくまで、そのズレに名前をつけたにすぎません。大切なのは、「この子は今、どんな場面でどんなことに困っているか」を具体的に理解しようとする姿勢です。診断を急ぐあまり、子ども自身が「自分はおかしいんだ」と感じてしまえば、それが自己肯定感を下げてしまうこともあります。まずは、どんな状況でどんな行動が出るのかを丁寧に見つめてみることが、支援の第一歩となります。

.

インターネット情報に潜む“無意識のラベリング”

現代では「発達障害」というキーワードを検索すれば、すぐに診断基準やチェックリストが手に入ります。一見、便利な時代ですが、そこには落とし穴もあります。それは「自分や子どもを情報に当てはめてしまう」という無意識のラベリングです。たとえば「こだわりが強い」「落ち着きがない」といった特徴は、発達障害に限らず、多くの子どもに見られる一面です。けれど、それをチェックリストに照らし合わせて「これはADHDかも」と自己判断してしまうと、視野が狭まり、必要な支援を見逃すこともあります。大切なのは、「当てはめる」のではなく「理解する」こと。情報は参考程度にとどめ、実際の状態を丁寧に見守る目線を持つことが何より大切です。

.

子どもの行動の奥にある「伝えきれない困り感」

子どもの“困り感”は、言葉で伝えられるとは限りません。むしろ、小さな子どもほど「なんかうまくいかない」「怒られてばかりで悲しい」といった気持ちを、うまく表現できずに苦しんでいることが多いのです。そしてその困り感は、言葉ではなく“行動”という形で現れます。たとえば、癇癪を起こす、急に走り出す、人の話を遮るといった行動は、実は「自分の思いが伝わらない」というサインかもしれません。それを「問題行動」と切り取るのではなく、「どんな気持ちからくる行動なんだろう」と読み解くことで、初めて子どもの心に寄り添うことができます。行動の奥には、必ず意味があります。わからないことがあっても、「わからないままで向き合う勇気」が、親にも必要なのかもしれません。

.

まずは親自身が「安心」できる場所を見つけて

子どものことで不安になると、親の心もどんどん追い詰められてしまいます。「自分の育て方が悪かったのかもしれない」「他の親みたいにできていない」と自分を責める声が、心の中に響くこともあるでしょう。でも、発達の特性は“親のせい”ではありません。大切なのは、親自身が安心して話せる場所や、頼れる存在を見つけることです。たとえば、私たちハートライン沖縄クリニックでは、診断や投薬だけではなく、「話を聴く」「一緒に整理する」ことを何より大切にしています。子どものためにも、まずは親自身が安心できる環境に身を置くこと。それが、家族全体の心の健康を守る第一歩になります。

.

最後に

「発達障害かもしれない」と感じたとき、すぐに検索したり、診断を求めることは自然な流れです。しかし、その前に立ち止まって見つめたい視点がいくつかあります。「変わっている」ではなく「なぜそうなるのか」と考えてみる。「診断」よりも「困っていること」に注目する。「情報」よりも「実際の関係性」に目を向ける。そして何より、「親もまた悩んでいい存在」だと認めること。子どもの発達には、ひとつの正解はありません。だからこそ、焦らずに、ゆっくりと、目の前の子どもと向き合っていくことが大切です。

以上、ハートライン沖縄クリニックの院長、吉澤でした。
何かご相談がございましたらご気軽にご相談ください。
LINE相談はこちらから
https://lin.ee/dzElMLj

初診受付はこちらから
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf1gNr9-m8ZixPcKV-RiJd2dyEgNi80gWYHGnTRKGfAqQfm0A/viewform
https://okinawa-daycare.com/contact/

* *
* *