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処理速度が低いお子さんへの対応

ブログ 2023.02.28

 

処理速度とは?

本日はWISCの結果から「処理速度が低い」という評価が出たお子さんが一般的に苦手としていることと、どのような支援が出来るかについてお話していこうと思います。

 処理速度とは、文字通り、「情報を処理する速さ」を表しており、主に視覚からの情報をすばやく正確に取り込み処理したり、内容を瞬時に理解する力のことを指します。そのため、処理速度が低いお子さんの場合は、情報処理に時間がかかってしまい、本人としては精一杯やっているつもりなのに「マイペース」「怠け者」という評価をされてしまうことが少なくありません。

処理速度の数値

 処理速度の数値は目で見た情報を少しの間記憶しておく「視覚的短期記憶」や注意集中力、例えば「黒板の文字を目で見て手で書く」など、目で見た情報を手や足などを使って出力する「視覚と運動の協応」にも関係していると言われているため、処理速度の低いお子さんはそれらが苦手な傾向にあります。

支援方法は?

 処理速度が低いお子さんへの支援方法についてお伝えしていきます。先ほどもお話しした通り、処理速度が低いお子さんは瞬時に情報を処理することが苦手です。情報処理が遅れるので、判断も遅くなり、一人取り残されてしまうこともあるでしょう。ですので処理速度の低いお子さんの場合はあらかじめ課題を伝えておく、課題に取り組む時間を長めにとってあげる等の支援が有効です。そうすることで、情報処理に使える時間が長くなり、他の子ども達と同じタイミングで課題に取り組むことができます。

また、「待たせている」「急かされている」という空気感にプレッシャーをより強く感じてしまうお子さんもいます。特に処理速度が低いお子さんの場合、周囲からの心無い言葉によって「自分はのろまな奴なんだ」「何をするにも遅いって言われちゃう」等と自信を無くしているケースがよく見られるので、例え周りがなんとも思っていなくても「また待たせちゃってる、急がなきゃ」と感じ取ってしまい、ミスが増えさらに気分が落ち込むという悪循環に巻き込まれてしまう恐れがあります。そうならないように、「ゆっくりでいいよ」と伝える、仕切りのある場所で取り組んでもらう等の配慮を受けることで、ストレスなく自分のペースで取り組むことができ、自信を回復させることができます。

 これまでWISCの4つの指標についてと、それぞれの指標が低いお子さんへの支援方法についてお話してきました。どの指標にも共通していることですが、例え指標が低くとも、無理に伸ばそうと考えてはいけません。私たちもそうですが自分の苦手な部分に向き合うことは大きなストレスとなりますし、膨大な時間をかけたとしても改善するとは限りません。それよりも本人の好きなことや得意なことを伸ばすことに注力すべきです。

 今回のように処理速度の低いお子さんの場合は、野球やサッカーのようなとっさの判断が必要なものに取り組ませるよりは、美術や芸術などクリエイティブな活動の方が得意な場合が多いので、そのような体験をさせてあげると、自分の輝ける場所を見つけることができるでしょう。より好きな方、より楽しい方へ進んでいけるように、様々な情報を提供していく、これが私たち大人ができる一番の支援なのかもしれませんね。

ご相談の場合は下記までご連絡くださいね!


ハートライン沖縄クリニック 医師 院長 吉澤

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