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自閉スペクトラム症

自閉症スペクトラム症
について

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「自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)」は、発達障害のひとつであり、主な特徴として「社会性の障害」「社会的コミュニケーションの障害」「社会的想像力の障害」が挙げられます。

自閉スペクトラム症の方は人に対して興味を持てず、仲良くなるなど適切な関係を作り上げていくことが苦手です。また、電車や車のような「物」に対して強い興味を持つため1人で過ごすことが多く、社会スキルがなかなか向上しない場合が多いです。これが「社会性の障害」です。

また、自閉スペクトラム症の方は会話の仕方が独特です。会話のリズムが不自然だったり、抑揚が変わっていたりする場合があります。自分の好きなことを一方的に話してしまい相手にうんざりされることも珍しくありません。さらに言葉を文字通りに受け取ってしまうため、遠回しな表現などが通じないこともあります。これらを「社会的コミュニケーションの障害」と呼びます。

最後の「社会的想像力の障害」についてですが、これから何が起きるかを想像することが難しいため、変化を極端に嫌います。そのため、ルーティンにこだわり、いつも通りに物事が進まないとパニックになることもあります。
そのほかにも人によって様々な症状が出ます。もともとは自閉症と呼ばれていましたが、人によっては上記の3つの障害のなかで強く出るものが異なること、そのほかにも人によって症状が違うことを理由に、現在のように「自閉スペクトラム症」と呼ばれるようになりました。

自閉スペクトラム症原因は不明ですが、生まれつきの脳機能の異常によるものと考えられていますので、一昔前に言われていたような「親のしつけが悪い」「愛情不足」ということは関係ないと言われています。最近の調査では、子どものおよそ20~50人に1人が自閉スペクトラム症と診断されるともいわれ、男性に多くみられ、女性の約2~4倍という報告もあります。

自閉スペクトラム症は現代の医学では完治させることはできませんが、幼児期からの療育(治療と教育)によって特性に対応する力を身につけることが出来ます。

例えば「社会的コミュニケーションの障害」ではコミュニケーションの仕方を遊びの中で学習させ、日常生活でも自然と使えるようにしていきます。自閉スペクトラム症をはじめ、発達障害は「発達が遅れている」のであって「発達しない」というわけではありません。ですので、適切な時期に適切なトレーニングを受けることで、対処法を学ぶことが出来ます。

また家族、特に両親のペアレントトレーニングも効果的です。家庭でどのような工夫をすればより意思疎通が取れるのか、どんなかかわりが本人にとってプラスになるのかは独学で学ぶのは難しいです。本人だけでなく家族も専門的なサポートを受けることで、さらに効果的な治療と教育につなげることが出来ます。

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